貧乏人はお断り?僕が高い料金を払ってでも高級ホテルに泊まりたい理由
最近ハイクラスホテルの宿泊記なんかをよく記事にしてます。
高級ホテルはいいもので、心が落ち着く場所です。
今では出かける際に、なるべく良いホテル宿泊するようになりました。
とはいうものの昔から高級ホテルが好きだったわけではありません。
なんなら僕は貧乏性でケチな人間なので、ホテルにお金をかけるなんて感覚は理解できない側の人間でした。
バックパッカーをしていた時はもちろん安宿に泊まってたし、国内旅行のときでもネットカフェで寝泊まり。
彼女との旅行でも利便性だけを追求したなるべく安いビジネスホテルを必死に探して宿を予約する。
じゃらんと楽天だけが友達!ってな感じで必死で安宿を探していた僕。
旅行に行って遊んで、寝るだけの場所に高いお金を払う価値が全く理解できない。
そんなことで何回か喧嘩に発展したこともありましたね。
温泉旅館とかならまだ理解できるけど、ホテルに関しては本当に理解不能でしたね。
しかし、そんな僕がある時を境に高級ホテルが好きになる出来事がありました。
バックパッカーでスリランカを旅していた
僕は海外に行くのが好きで、よくバックパッカーをしてました。
しかし英語は全く話せないダメバックパッカー。
そんな僕がスリランカを旅していた時です。
スリランカのコロンボ空港に着いたとき、なぜか空港はお祭りのような装飾がされてました。
なにかイベント事でもあるのかな?なんて思ってた僕は、特に気にすることもなく空港から街に繰り出します。
ちなみにスリランカで両替をするときは空港で済ましておくのがベターです。
街の両替商や銀行よりも空港で両替したほうがレートが良いのですよ。
中心街ダウンタウンについた僕は、駅前の適当な宿を見つけて一泊しました。
深夜で結構危なっかしい雰囲気でしたが、もう手慣れたもんでしたね。
翌日、スリランカの一大観光名所「シーギリア」に行くために観光の拠点となる「キャンディ」へ向かいます。
湖の街キャンディでまったり過ごす
キャンディは暑いスリランカの中でも過ごしやすい。
湖を中心としたスリランカ国内でも2番目に大きな街は、涼しく整備されていて観光に最適の街になってます。
そんなキャンディで僕は数日間過ごします。
世界遺産「シーギリア」に行ったり、お茶が有名なので「茶畑」に行ったり、宝石が沢山採取できるので加工場に見学に行ったり、キャンディ自体の街を観光したりとかなりの時間過ごしていました。
サルの大群に襲われたのも今ではいい思い出です。
マジで死ぬかと思ったわぁ・・・。
そんなこんなでスリランカの街を堪能していたのですが、そろそろ旅立ちの時間が近づいてきました。
スリランカの後にモルディブへ行く予定を立てており、飛行機の搭乗日が近づいてきたからです。
キャンディにいては空港まで6~8時間ほどかかってしまうため、キャンディを出発し首都コロンボへ帰還。
コロンボで一泊したのちにモルディブへ旅立つ計画。
そんなことをキャンディの宿でお世話になっていたお母さんに話した所、お母さんからある忠告を受けることに。
「今日からスリランカのお正月に入るから、お店とか両替商、銀行、ホテルが全部しまっちゃうよ。両替しとくなら今日中にしときなさい。あと宿も予約してないなら明日もここに泊まっておいたほうがいいよ。」
お母さんの言葉で僕は、空港のお祭り装飾のことを思い出しました。
なるほど!あの空港の装飾は正月気分を表すものだったんだなと。
つたない英語で詳しく聞いてみると、スリランカの正月は4月にあるそうで2~3日間は、みんなお店とかを閉めて正月を迎えるようです。
持ち金が少なくなってきていた僕は、コロンボに戻ってから残り1日分のお金を両替するつもりでいました。
なぜならキャンディは観光地で両替レートがかなり悪かった為です。
それに、後1日しかスリランカにいないので、ギリギリのお金を両替したかった為です。
無駄に両替してしまっても、もうスリランカのお金は使うことがないのでコロンボに戻り、宿を決めてから必要最小限の金額を両替するつもりでいました。
実際、その日街に繰り出すといつも空いてたお店が結構しまってました。
でも観光地だし、全部閉まることはないだろう。
それに流石に飛行機の搭乗日までキャンディにいるのは、移動の体力的にもしんどいし電車の遅れなどで飛行機に乗り遅れる可能性があるからやめておきたいというのが僕の出した結論。
そのことをお母さんに話すと、
「じゃあ、明日の早い時間に列車でコロンボに戻ったほうがいいよ。正月は列車も止まるからね。」
と言いわれビビりましたw
マジかよw正月といえど観光客もいるだろうし列車ぐらい動かしてくれよwと思った僕は念のためにキャンディの駅まで赴き、翌日の切符を買っておきました。
これで安心だ。両替は最悪明日の朝にでもやってしまえばいいだろう。
長い間お世話になったお母さんの正月料理を頂き、キャンディ最後の夜はすごく楽しいものになりました。
アングリーバードとか超懐かしいんですけどwww
飛行機搭乗日1日前、キャンディ~コロンボへ戻る
スリランカの正月というものを堪能した僕は、昨日予約しておいた列車に乗るために朝からキャンディを立つ予定。
お母さんとウルルン滞在記ばりの感動の別れをつげてキャンディの駅へと向かいます。
寄こしてくれていたトゥクトゥク(バイクタクシー)に乗って駅へ。
今日から本格的に街のお店が全部しまっていると聞いていたのですが、結構お店は開いてました。両替商も問題なくオープンしている状態。
やっぱり観光地だし、正月だからといってもお店はやってるんだなぁ~と思った僕。
それならコロンボに戻って宿を見つけてから両替しようと、再度決めました。
予約していた列車に乗り、4~5時間ぐらい揺られてコロンボに到着。
ここで僕は信じられない景色を目の当たりにする。
ゴーストタウンコロンボ
初日の景色はどこへいったの?
駅から降りた僕の最初の感想はこれでした。
あれだけうるさかった車やバイク、多い人、無駄に派手なネオン、治安が悪そうな空気それらが一切感じられない変わり果てた景色。
すべての店にシャッターが下りており、車やバイクも一切走っていない、まるでゴーストタウン状態。
とてもスリランカの首都とは思えない光景でした。
駅員にどこか開いてる店、ホテルはあるか?と聞くと「ないんじゃないか?」と言われる。
ここで絶望した・・・というわけではなく、現地人の言うことは適当なので「まぁ大丈夫だろう」と適当に散策することに。
僕はとりあえず、初日に泊まったホテルへと向かってみました。
そこらへんは安宿街でやっすいモーテルが立ち並んでいる場所。
しかし、すべてが閉まっている状態でした。
しばらく駅周辺を探索するも、ホテルどころかお店、両替商も開いていない。
1時間ぐらい彷徨った僕は途方にくれていた。
駅員のおっちゃんごめん・・・、あんたの言うこと正しかったわ・・・。
とにかく人力で探すのは無理だ・・・せめてタクシーかトゥクトゥクさえ来てくれればなんとか開いてる場所を聞けるかも知れない。
そう思った僕は、駅前で人が通るのをじっと待っていました。
神の使い!トゥクトゥクおっさん
(写真のおっちゃんは、本件には関係ありません)
30分ほどだろうか駅前で待ちぼうけしていると1台のトゥクトゥクが走ってきた。
コロンボについてから、この日始めてみるトゥクトゥク。
向こうもこちらに気づいたのか自然と寄ってくる。
トゥクトゥクおっさん(以下おっさん)「どうした?どこか行きたいのか?」
僕「近くにホテルはない?あとはお金がないから両替したいんだけど」
おっさん「ホテルはよくわからないが、両替するならいい場所をしっているぞ!ちょっと離れてるけどな!」
僕「離れたところって言われても、今僕は持ち合わせがすくないからトゥクトゥク代が足りないかもしれない(実際はトゥクトゥク代くらいは持っていた)」
おっさん「大丈夫だ。両替店は知り合いがやってるから、そこで両替してから払ってくれればいい。」
僕「ちなみにそこの両替場所まで何分でいくら?」
おっさん「10分ぐらいで〇ルピーだ。(相場相応の値段)」
僕「じゃあ連れてって。」
おっさん「おっけぃ!乗りな!」
疲れ切っていた僕はとりあえず両替がしたくて、おっさんの案に乗りました。
おっさん「お前は日本人か?」
僕「そうだけど、わかった?」
おっさん「日本人はいいやつが多いからな!俺に任せとけ!」
僕「そうか~、よろしく頼むよ~」
こんな会話をしながらトゥクトゥクから景色を眺めていても、どこもかしこもシャッターが閉まっているし、銀行やホテルも開いていない。
何処に向かってるかもわからない僕は、少し不安になってきたんですよねぇ。
僕「おっちゃん、あとどれくらいで着く?何処向かってるん?」
おっさん「あと少しだ~、心配するな~」
心配するなと言われると、めっちゃ心配になる。これがバックパッカー。
あぁ・・・ヤバイ不安になってきた。もう降ろしてもらうかな・・・。
でも、ここどこかわかんねぇし、店開いてねぇしなぁ・・・。
そんな不安と葛藤していると、一際高いビルが視界に入ってきた。
よく見ると「ヒルトン」と書いてある。
こういう高級ホテルに泊まれていたらこんな苦労もする必要なかったのかなぁ。
そんな考え事をしているとヒルトンを通り過ぎていき、5分ほどの場所で細い路地に入っていく。
おっさん「ここだ!着いたぞ~。」
僕「ここ?」
細い路地の人けがない場所。
「おうここだ~、お~い客だぞ~。」
おっさんが店?に向かって呼びかけると、中から若い兄ちゃんがでてきた。
兄ちゃん「何の用?」
おっさん「この日本人の兄ちゃんが両替したいんだとよ」
兄ちゃん「そうか、中へ入んな~」
おっさん「両替できるってよ!良かったな!荷物は置いていっても大丈夫だぞ」
僕「いや、荷物は持っていくわ・・・」
バックパッカーをしてきた僕の経験が語り掛けてくるんですよ。
これはあんまりよくない展開になってると。
人の良い両替屋さん
(写真はインドのおっちゃん達)
薄暗い小さな小部屋に通される僕。
兄ちゃん「ボス!両替したい観光客が来てるぞ~」
ボス「おぉ~よく来たなぁ~、両替がしたんだって?いくらだ?」
僕「ホテルに泊まれるぐらいで良いんだけど、日本円いけるの?」
ボス「日本円?いいぞいいぞ!基本はドルだけだが日本円でも大丈夫だ!」
僕「ありがとう。なら2000円とかでいいかな?」
ボス「おっと、ちょっとまった。少額は流石に日本円だとキツイな。1万円からにしてほしい」
僕「そうか~、1万円だといくらになるの?(まぁ、流石に1000円札はちょっと厳しいか・・・1万も両替しても無駄になるだけなんだけどな・・・キャンディのお母さんのいうことちゃんときいときゃ良かった・・・)」
ボス「1万円だと〇〇ルピーだな!(相場の半値)」
僕「は?何言ってんの?1万だと〇〇ルピーぐらいだろ?(相場相応)」
ボス「今日は正月だからなぁ、ちょっとレートは悪くなっちまう。しかも日本円だしな」
僕「いや、流石にボッタくりすぎじゃない?いくら何でも相場の半値はねぇわ」
ボス「いやいや、俺だっけ本来はこんな値段じゃやってないぞ?今回は正月で、急遽お前さんの為に両替をしてやってるんだ。感謝してくれ」
僕「それは有難いけど、さすがに〇〇ルピーぐらいにしてくれ(相場の9割)」
ボス「いや、無理だな。今日は〇〇ルピー(最初の提示金額)が限界だ」
僕「いや頼むわ・・・じゃあ〇〇ルピー(相場の8割)でどう?(このやろう足元見やがって・・・しかもなんだ?さっきからずっと男2人に見張られてるし・・・)」
ボス「しょうがないな!じゃあ〇〇ルピー(相場の5.2割)でいいぞ!これならいいだろう」
僕「話にならんわぁ。もういい、僕は帰るよ」
ボス「いやいや、ほかに両替できるところはないぞ?悪いことは言わない。ここで両替していけって」
僕「有難いけど、それじゃ両替できないって・・・。もういいよ。」
流石に段々イライラしてきた僕。お互いに電卓を叩きまくって交渉したが、どうにもならない。
ボス「よしよし、俺も鬼じゃない。〇〇ルピー(相場の5.5割)でいいよ。」
僕「もういいって言ってんだろ!安すぎんだよ!」
ボス「何を怒ってるんだ?俺はお前のために言ってやってるんだ。両替していけよ」
僕は無視して店から出ていこうとする。
ずっと僕を見ていた男二人組がついてきた。
あぁ・・・これやばいかもなぁ・・・。
おっさん「両替できたか~?」
僕についてきた2人組が、先におっさんに話しかける。
おっさん「おい日本の兄ちゃん、両替しとけって他に両替できるとこないぞ?」
僕「いや、もういいわ。おっちゃん、駅前まで戻ってくれよ。」
おっさん「いやいや落ち着けって。ちょっとレートは悪かったかもしれないがこっちも親切心でいってやってるんだ。なんなら俺がボスに交渉してみよう。」
僕「駅前に戻ってくれって言ってんだろ?」
流石にイライラが限界になってきた僕。
するとボスが店から出てきた。
ボス「兄ちゃん、大サービスだ!〇〇ルピー(相場の7.5割)でどうだ?これなら文句ないだろ?」
ボスも疲れてきたのか?先ほどから比べると出血大サービスだ。
本来ならここで両替していたほうがよかったのだろうが、僕は完全に切れていた。
僕「いやお前に渡す金はねぇわ。早くトゥクトゥクだしてくんない?」
おっさん「しょうがないなぁ・・・じゃあ行きの分合わせて〇〇ルピーな(本来のトゥクトゥク相場の3倍ほど)」
僕「は?ふざけんな!?こっち来る前には〇〇ルピーって言ってただろが!それで帰れよ!」
おっさん「そんなこといったっけ?とりあえず帰りたいなこの値段だ。」
おっさん、ボス、周りの2人を含めてみんなで僕を囲んでニヤニヤしている。
もう我慢の限界だ。
僕「っざっけんな!!!もう俺にかかわんな!」
そういって僕は最初におっさんに言われた相場のトゥクトゥク代だけ投げつけるように払ってその場を去っていった。
おっさん「おいまてって!金が足りないぞ~!」
僕の腕を掴んでくるおっさん。
僕「黙れよ!さわんな!!!!」
周りの男たちも空気が変わったけど、こっちは切れてる。後には引けない状態だった。
別にどうなっても良かった。
今までも危ない目には何回もあってきてたし、リアルに死にかけたこともあった。
こっちがガチギレしてるのを察してか、追ってくることはない。
僕は身長が183cmほどあるし、そこそこ体格も良い。
それに引き換えスリランカ人たちは平均して160cmちょっとぐらい。
スリランカ人は小さい人が多い。
この体格差が役に立ったと思うことにしよう。
トゥクトゥク代を払った僕には、もう宿に泊まるお金も持ち合わせていなかった。
無一文の絶望の中で高層ビルが僕を見下ろしていた
僕はとりあえず来た道を引き返していた。
どうしよう・・・さっきは勢いで飛び出したけど、もう金もないし・・・、店もホテルも開いてない・・・あれ?これツんだ?さっきのとこで両替しておくべきだったか。
なんてことが頭に浮かんでくるぐらいどうしようもない状況だった。
そのときまた一際高いビルが僕の視界に入ってくる。
「ヒルトンホテル」
日本にもある世界でも有名な高級ホテル。
バックパッカーには無縁のホテル、日本でも泊まった経験なんてない。
こんなホテル見せられても意味ないんだよね・・・。
しかもオープンしてるのがちょっとムカつく・・・こっちは安宿探してんだよ!
と、本当に迷惑な逆切れを一人でしていた。
逆切れしてヒルトンのことを考えてたらある考えが浮かんだ。
ん?日本でも泊まった経験がない???日本にもある有名ホテルならもしかしたらなんとか両替とかしてもらえるかも!?ってか日本語話せる人とかいるんじゃね!?ってかこれしか方法ないわ!ヒルトンさんお願いします!!!
逆切れから一遍、ヒルトンが神に見えた僕。
そんなこんなで僕はとりあえずヒルトンホテルへと向かった。
貧乏人はお断り?人生そんなに甘くない
とりあえずヒルトンホテルについた僕。
ホテルの入り口にはガードマンとドアマンが4名ほど立っていた。
全員が今までスリランカで見たこともないほど、ピシっとした格好をしている。
かたや僕は短パン、Tシャツ、頭にタオルを巻いてサンダル、リュックのみすぼらしい恰好だ。バックパッカーのナチュラルスタイルといってもいい。
こんな格好だけど入れてくれるかな?僕はドキドキしながら入口に近づいていった。
ドアマンが笑顔でドアを開けてくれる。
ホッと一安心。ホテルの中は、とてつもなく心地よい空気と香りで満ちていた。
とてもじゃないがスリランカとは思えない。
まるで異国のような空気を感じながらレセプションへ向かった。
ホテルマンが笑顔で迎えてくれる。
ホテルマン「こんにちは、ご宿泊でしょうか?」
僕「すみません、宿泊ではないのですがお願いがあります。日本円の両替はできますか?」
僕のつたない英語では少し会話が成り立ちにくかったが、なんとか通じた。
ホテルマン「少々お待ちください。」
するとホテルマンは電話で色々確認してくれる。
待っている僕はなんともむなしい気分に浸っていた。
ホテルの中にいる人々は、今までスリランカであった観光客とも一線をがしている。
小奇麗な格好をした欧米人がいっぱい。
どこの先進国に迷い込んだのかと思ってしまうほどだ。
一方僕はみすぼらしい恰好で、両替ができずに宿も決まっていない。
金をケチるとこんなにもひもじい思いをしてしまうのか・・・そんなことを考えながらホテルマンの返答を待っていた。
しばらくすると電話が終わった。
ホテルマン「すみません、当ホテルではやはり日本円の両替は承れないようです。」
僕「そうですか・・・そうですよね・・・ありがとうございます。」
ここはホテルであって両替屋ではない。
ましてや日本にあるとはいえ、外資系ホテルだ。
ドルならまだしも、日本円の両替ができなくても何の不思議もない。
というか、そもそもこんなみすぼらしい恰好をした人間は怪しくて仕方がない。
こんな格好の人間が両替してくれと来ても偽札を出してくる可能性もあるわけだし、断られるのは当然といえば当然。
まともな格好をしていれば両替出来ていた可能性もある。
なんだかんだ人は見た目がかなり大事だ。
はなから結果は分かっていたのかもしれない。
人生そう甘くはない。
打つ手なし!スリランカでの最後の夜は?
もう如何することもできない僕は、何もかもを諦めてホテルを後に・・・。
あかん・・・もう打つ手ないわぁ・・・、ホテルから出たらまた灼熱のスリランカが僕を待ち受けてるんか・・・もう喉も乾いたし・・・どないしよか・・・。
絶望に打ちひしがれていた僕を、後ろからホテルマンが呼び止めてきた。
ホテルマン「ちょっと待ってください。日本語が話せるスタッフがいるので彼に相談してみてはいかがでしょう?」
僕「え?日本語話せる人いるんですか?お願いします!」
ホテルマン「こちらへどうぞ」
僕の語学力では現状を打開する案をホテルマンに聞くことはできなかったが、日本語を話せる方がいるなら話がはやい!
なんて気が利くホテルマンなんだろうか。
僕が案内されたのは、ホテル内にある日本料亭だった。
ホテルマンが店内のスタッフに色々話してくれる。
スリランカ人の店員さんが中へ案内してくれた。
店員「こちらで少々お待ちください。日本語を話せる方を呼んできます」
とカタコトの日本語で話してくれた。
店内はすごくきれいで、本当に日本にいるような感じだった。
綺麗な店内で日本茶を振舞ってくれた店員さん。
今までの人生で、こんなに日本茶がおいしいと思ったことはなかった。
しばらくすると、スーツでビシと決めたスリランカ人の方が出てきた。
どうやらこのレストランの支配人らしい。
支配人「いらっしゃいませ。支配人の〇〇です。スタッフから両替で困っていることがあると伺いましたが?何がお困りでしょうか?」
流暢な日本語にちょっとビビる僕。
僕「はい、僕今日本円しかなくて・・・正月で両替できる場所がなくて困ってるんです。分かればでいいんですが、日本円の両替できる場所教えていただけませんか?」
支配人「あぁ、そういうことでしたか。今は正月でどこもやってないですからねぇ。大変だったでしょう。でしたらこちらで両替致しましょう。」
僕「え!?ここでして貰えるんですが!?」
支配人「はい、問題ないですよ。いくら両替されますか?」
僕「本当ですか!あの・・・3000円とかでも大丈夫ですか・・・?」
支配人「勿論です。少々お待ちください。良かったら何か食べていかれますか?お代は結構ですので」
僕「え!?いや、お茶頂けただけで十分すぎるぐらいです。申し訳ないのでお気持ちだけ頂きます」
支配人「そうですか。では両替しますので少々お待ちください」
僕「ありがとうございます」
両替してくれと言って提示した金額は3000円。
そんな僕に料理を提供してくれるなんて、もう顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
なんと親切な方なのだろうか。
神はいるかと聞かれたら、スリランカにいると答えるだろう。
しばらくすると、支配人が新札のお金を持ってきてくれた。
レートは聞かずに両替してもらったが、空港と同等かそれ以上のレートだった。
スリランカでもトップクラスのレートで両替してくれたみたいだ。
もう本当に感謝の言葉しかなかった。
支配人「良かったらまた食事にいらしてください。」
僕「本当にありがとうございます!この御恩は一生わすれません!」
深々と頭を下げて僕はヒルトンホテルを後にした。
これほど人に感謝したことは今まで無かったかもしれないです。
このあとホテルを探すのにまた一つのエピソードがあるが、長くなるので割愛。
色々あり、無事に翌日モルディブへ旅立つことができた。
ヒルトンホテルに宿泊する
日本に帰国してしばらくたった頃、ディズニーランドに行くことになった。
僕は旅行代理店に行き、飛行機とホテルのセットパックを頼む。
勿論宿泊するホテルは「ヒルトン東京ベイ」だ。
日本に帰国して旅行するなら、絶対にヒルトンに宿泊すると決めていた。
スリランカでの恩返しにはならないが、僕の中で決めていたこと。
国内で初めて自分のお金でいいホテルに泊まった。
そこは今までのビジネスホテルとは違い、様々なホスピタリティに溢れた空間だった。
お金を払えば、それだけの対価があるとしみじみと感じた。
とても満足のいくディズニー旅行になった。
その後もヒルトンホテルはよく利用しています。
まとめ
それからというもの、僕はできるだけ良いホテルに宿泊するようになりました。
安かろう悪かろうという言葉は当然で、お金を払えばそれだけの対価が得られる。
満足感が全然違うのだと本当に肌で感じました。
このスリランカでの出会いがなかったら、僕は今でも高級ホテルに宿泊することのない人生を送っていたかもしれないです。
高級ホテルでの世界共通のホスピタリティに出会えたことで、初めて高級ホテルに宿泊してみようと思えました。
日本だったら困っていると、ビジネスホテルでも助けてもらえるかもしれない。
しかし、高級ホテルは世界共通でそのサービス、クオリティが維持されているんです。
僕は、そこになによりも感動しました。
高級ホテルは高いなりに理由がある。
良いものは良い。
それだけは間違いないと感じられた体験でしたね。
僕はこれからも良いホテルと出会いたいし、泊まりたいと常々思っています。
スリランカでの素敵な出会いに感謝。
以上、貧乏人はお断り?僕が高いお金を払っても高級ホテルに泊まりたい理由についての記事でした。
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